経理職だった私が未経験のIT業界へ転職し、実際にどうだったかの感想です。
経理の経験が活かせたか、職場環境はどうだったか、何が嫌だったか、そして最終的にはまた経理職へ戻ったこと、を振り返ります。
経理の経験を活かせたか
会計システムを企業に導入するITコンサルタントになった私。コーディングしたりと経理職ではしたことのない仕事をしました。
じゃあ経理の経験って活かせたのか?
具体的にどんな経理経験が活きたのかを書いていきます。
B/S・P/Lを体得していること
日商簿記3級を受かっている人なら、仕訳からB/S、P/Lを作り上げることができます。経理職にとっては当たり前にできるで、体に染みついている技術です。調べなくても、どの勘定科目がBS科目なのか、PL科目なのかは分かります。
この経験・知識が「既存システムから新会計システムへデータ移行」する時に発揮されました。
原価計算の知識
日商簿記2級で原価計算の理解が求められます。製造業の会社で経理をしている人にとっては日常的に原価計算をしていると思います。
この原価計算はとっつきにくいので、その知識があると良いです。特に製造業の会社にシステムを導入するときにこの知識は必須となります。
「労務費や経費を配賦(按分)する必要があり配賦のための基準が必要」……等の原価計算の知識は知っていないとシステムの導入時のカスタマイズができないです。
企業の経理業務の経験
大学でCS(コンピューターサイエンス)を専攻し、コーディングをガッツリされるエンジニアさんで、日商簿記2級を取っている人もいらっしゃいます。
前述のB/S,P/L、原価計算の知識を持ちながらシステムを開発されています。
すご……
そんな優秀な人がいるなら経理職なんて活かせない……?と思うこともありました。ただそんなこと無いです。
実際の企業の経理業務を経験したことで、教科書だけでは分からないことを理解していて、それは顧客に会計システムを導入するときに存分に活かされます。
請求書作成のこまごました困ったことなんて日商簿記の本には書いてないですし。
会計システムを導入する企業にとって、「このITコンサルタントは業務のことを分かってくれる」と思ってもらえること。これが大事だと感じました。
多様な働き方支援
転職して嬉しかった会社の仕組みが、以下3点です。IT系は他の業態に比べて柔軟な働き方ができる制度が充実しています。
・フレックスタイム
・デュアルディスプレイ&良いPC
リモートワークはコロナ禍でこそ多くの企業に導入されていますが、それ以前でも当たり前に社員はリモートワークしていました。家やシェアオフィスで働けるので、満員電車に乗る必要がないです。
フレックスタイムは出社や退社の時間を柔軟に調整できる制度。ちょっとした私用を済ませてから出社したり、友達と夜に用事があれば早めに切り上げたりと柔軟に働けました。
デュアルディスプレイは、パソコンのディスプレイを2つ増やして作業できるもの。1つのディスプレイで作業するより、2つのディスプレイで作業する方が効率爆上がりです。
どれも一度経験すると戻れない……。
苦労したこと
実際にIT企業のコンサルタントとして働き始めると、上手くいかないこともでてきます。
それは「仕様変更」
これは別に経理職からの未経験転職だったからというより、IT系あるあるかと。むしろ経理の知識が皆無だったら目も当てられないほど苦労したと思います。
仕様変更をできるだけ無いようにすることが、ITコンサルタントの腕の見せ所です。しっかりとしたヒアリングで仕様を固める、顧客が気づいていないことも掘り起こす、等々。
経理職へ戻る
数年、ITコンサルタントとして働きましたが今現在は再度転職して経理職に戻っています。
理由は……
A社にシステムを導入して、次はB社に導入して……とどんどん新しい企業、新しい業種の会社にシステムを導入するのが楽しい人もいると思います。
私も最初の頃は色んな会社の経理事情を知ることができて楽しかったです。それまでは自分の会社1社しか知らなかったです。
ただ「優れた会計システムを導入すれば全ての業務効率がアップして問題解決!」するほど万能なシステムなんて無いのも事実です。どう運用していくかが重要です。
導入するのも良いですが、運用する主体に戻りたくなりました。
次はシステムの中身を知っている経理職として働いてみたい、と転職活動をして経理職に復帰しました。
まとめ
経理職からIT企業に転職して、実際どうだったのかをまとめました。
個々の詳しい話はまた別に書きたいと思います。転職を考えている人の参考になると嬉しいです。