経理出身ITコンサルタントは【仕様変更】に立ち向かえる?

経理出身ITコンサルタントは仕様変更に立ち向かえる?IT職に就いてから

IT系に転職を考えたとき「ブラック」「デスマーチ」と不安な情報が出てきますが、「仕様変更」というキーワードを見たことあるかと思います。

実は、この仕様変更を少なくすることがITコンサルタントの腕の見せ所です。そしてERPを導入するITコンサルタントにとって仕様変更を少なくするには、会計の知識が必須で事業会社の経理経験があれば尚良しです。

なぜなら顧客のニーズをくみ取るためのベースがあるからです

私は経理職を8年務めた後、会計システム(ERP)を企業に導入&カスタマイズするITコンサルタントに転職しました。ERPコンサルタントとも言います。
文系卒でコーディング能力弱小でしたが、ITコンサルタントという役割においてコーディングよりも企業の業界や業務を想像できることの方が大切でした。

この記事では経理からITコンサルタントに転職を考えている人に向けて、「仕様変更をできるだけ避ける」ために経理の経験がなぜ有効なのかを書きます。

この記事を読むと、未経験転職であっても、これまでの経験を活かしてITコンサルタントにキャリアチェンジ可能と理解できます。転職活動時のアピールポイントにしてください。

ITコンサルタント(ERPコンサルタント)はシステムを導入する企業の業界や業務について幅広い知識が必要な役割で、その知識が仕様を決める際に重要です。会計知識や経理経験があると企業の業務についての理解度が上がり、それが良い仕様の作成に繋がります。

ITコンサルタントの役割

ITコンサルタントにはシステムを導入する企業(顧客)の業界や業務内容について理解する必要があります。システム開発の高度なエンジニアリング能力よりも、要望を引き出すコミュニケーション能力の方が役立ちます。

要望を引き出し、それをどうシステムで解決するのかを顧客企業と決めていき「仕様」を決定します。仕様は「どんなことを達成したいか」「その達成のためにどんな機能が必要か」等を決めるものです。

仕様というゴールを最初に決めてシステムにカスタマイズを加えますが、そのゴールがコロコロと変わってはシステムの導入は大幅に遅れます。

JUAS(一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会)の調べによると

・仕様変更が少ないほど工期遅延度は減少する。
・重大な仕様変更が発生すると20%以上の工期遅延度の比率が増加する。
・「重大な変更」が発生すると半分以上(57.1%)で、大幅に工期遅延する。

となり、仕様変更が及ぼす影響が分かります。

仕様変更を少なくする、すなわちゴールを最初にきちんと決められるかでシステム導入が上手くいくかは決まり、そのゴールの設定はITコンサルタントの重要な役割です。

仕様変更を少なくするにはどうすれば良い?

仕様変更の原因は何でしょうか。
JUASの調べによると

仕様変更の82.7%の原因が「詳細検討の結果

となっています。

つまり仕様を決める最初の段階で分かっていなかったことや、「やっぱりこうしたい」が途中で出てきて、仕様変更に至ります。

(最初から分かっていれば……)

基本的な流れは、顧客の企業内で、どんなシステムを作りたいかの要望を取りまとめて、ITコンサルタントはそれがシステムで可能かどうかの判断や「こうすれば可能」という提案をし、それが企業内でも認められて仕様が確定します。

仕様を決める段階で詳細を詰めていれば、そして「やっぱりこうしたい」を最初から話し合っておくことで仕様変更を避けることができます。ITコンサルタントの問題というよりは顧客側の企業内の合意形成(こういうシステムを作ってほしいという要望の取りまとめ)の問題ともいえます。ただ、悪意はなく、どうしても避けられないことでもあります。

会計知識&経理経験が必要

仕様変更の82.7%の原因が詳細検討の結果で、仕様を決める段階で詳細を決めておくことが重要です。

この「詳細」は様々ですが、システムを発注する企業側の担当者が会計の知識があまりないケースは……まぁまぁあります。経理部門が発注するというより、企業のシステム担当者が会社内の要望を取りまとめて発注するからです。

すると取りまとめられたものの中に「これ、経理の人が困るのではないか」という要望も出てきます。そんな要望を「分かりました、仕様に組み込みます」と言っては、後々に経理部の人から「こんなのじゃ駄目だ!」と跳ね返され、結果的に仕様変更になります。

取りまとめは大変なのです

特に原価計算が絡むような機能だと、顕著です。

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もちろん経理出身なら全てのケースが想定できる訳ではないです。

自分の経験とは違う方法を取っている企業もあります。コミュニケーション能力の方が全般的に必要です。しかし企業活動の記録を担う簿記、会計という基本を知っているか知っていないかは、企業のことを理解することに大いに役立ちます。

まとめ

仕様を顧客と決めるITコンサルタント(ERPコンサルタント)には企業の業界や業務について幅広い知識が必要です。その知識を用いて、企業の真のニーズ「こんなシステムを作ってもらって業務を効率化したい」等を引き出すことができるからです。

ニーズを引き出しそれを仕様に落としこみますが、仕様を決める段階で、企業の業務全般に対しての理解があると後からの仕様変更を防ぐことができます。

経理出身者でもITコンサルタントに転職する強みがあります。会計知識や経理経験があると企業の業務についての理解度が上がり、それが良い仕様の作成に繋がります。

もちろん経理含め他業種の経験があれば全て上手くいくわけではなく、システムの知識、そして何より顧客とのコミュニケーション能力が問われます。

未経験転職は不安なこともありますが、考え込んで不安な情報ばかりを検索してしまうより、具体的な求人がどんなものがあるか知ることで前に進めます。私も最初はぼやぁっと「IT系に転職したい」という状態でしたが、転職サイトにまずは登録してみて担当者さんとお話する中で「ITコンサルタント」という仕事があって自分の経験が活かせそうだと分かりました。

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