経理職からIT系に転職してみてどう?~締請求処理という商習慣

IT職に就いてから

未経験でIT系会社に転職するにあたり、経理の経験が活きて好条件求人があるITコンサルタントとして転職しました。大規模な会計システム(厳密にはERP)を導入する企業に合わせてカスタマイズする役割でした。

経理職の経験が活きた場面はいくつもありますが、請求書の発行システムのカスタマイズについて書いていきます。

何気ない請求書発行業務。しかし大規模なシステムになると落とし穴がいくつか……

都度請求と締請求

経理部の仕事のうち重要な位置を占める請求書発行。

一般顧客向けの販売(BtoC)だと基本的に事前に決済をしてからの販売になるので請求書発行業務はほぼありません。

しかし一般顧客ではなく企業相手に仕事をするBtoBの会社では、入金が後のケースが多々。納品して、請求書を発行してちゃんと入金されて初めて安心です。

そのBtoBの業態で行う請求書発行は都度請求と締め請求という方法があります。

都度請求:一回の注文や納品ごとに請求書を発行する。
締請求:一か月に1回~数回の締め日を設定し、締め日ごとに取りまとめて請求書を発行する。

付き合いが薄い会社への販売なら都度請求ですぐに入金してもらいますが、日本の会社では締請求が一般的です。

締請求とERP

この締請求処理、日本で販売されている会計システム(弥生など)なら標準で機能を備えています。

ただERPの場合、都度請求のみであったり、締請求機能を備えていても使い方が限定的でカスタマイズが必要なケースが多いです。

締請求特有の

・取引先ごとに異なる複数の締日と回収期間
・相殺の有無
・回収予定表など資金繰りや売掛管理のためのレポート機能が必要

というのはもちろん、業種業態によって更に複雑になります。

そして部門間の連携が密なERP特有の問題もあります。

それはイレギュラー処理に対応しにくいことです。

 

イレギュラー処理に対応しにくい

経理職の悩みの一つに、「締めたあとに入ってくるデータ」問題があります。

(なんでもっと早く入力してくれないかな)

というアレです。もちろん営業さんや他の部門のどうしてもな都合があるので一度締めたあとも締め解除をして、再度締め直して請求書を発行します。

こういったイレギュラーな対応(というか毎月毎月のあるあるですが)が、部門間の連携が密なERPだと単純にできないこともあります。

締めたあとに入ってくるデータや、キャンセルや金額訂正の赤伝票、特別な締め日設定、決算時期特有の処理など……締請求書の発行にはイレギュラー対応が求められます。

それにどう対応するのかをシステム導入時にある程度押さえておく必要があります。

経理職経験がどう活きた?

落とし穴がいくつもある締請求書発行のカスタマイズですが、自分自身、イレギュラーな対応を経理職として実体験しているというのは助かりました。

システム内部のテクニカルな事はエンジニアさんに任せるとしても、どういう仕組みでどういう機能をカスタマイズするのかをお客さんと決めていくのはITコンサルタントの役割です。

実体験としてイレギュラーな締請求処理の対応経験があると、お客さんが「こういうケースがあるのでこういう機能をカスタマイズしてほしい」という希望内容の意味が理解できる下地ができあがっています。

もちろん業種業態ごとに必要な仕組みは微妙に異なりますが、大まかな部分は同じです。

まとめ

全くの未経験転職で「プログラマーとしてがっつりとコードを書きたい」という道を目指すことを当初は考えていました。

しかし独学でプログラミングをかじってみたり、転職サイトに登録してどんな業務があるのかを聞くうちに……

経理職を活かしながらIT系の会社に転職できる

と、応募する職種をエンジニアからコンサルタントに軌道修正しました。

締請求書のケースを書きましたが、経理職の経験者だからこそ活かせる職種があるという参考になると嬉しいです。

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